名古屋大学様

国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学 大学院工学研究科 航空宇宙工学専攻工学部 機械・航空宇宙工学科 生産工学研究グループの李炅耆(Lee KyungKi)様に「プロジェクトについて」と「エムアイエス製品導入の背景および効果」についてお話を伺いました。

プロジェクトについて

プロジェクトの概要

楕円振動切削加工は光学部品製造に使われる金型などの加工に使われています。本研究では楕円振動切削において、振動装置の内部情報、具体的には消費電力を用いて、工具と工作物の相対位置や工具摩耗などの様々な切削プロセス情報をモニタリングする技術を開発します。
 

プロジェクト開始前の課題

近年の工場における自動化・無人化の傾向に伴い、加工工程のモニタリングの重要性が高まっています。切削加工プロセスのモニタリングには、動力計などの外部センサを使用する手法が開発されています。
しかし、これらのセンサは高価であることと、加工点付近に設置するためのスペースがない場合が多いことから、一般的な加工環境では導入が困難です。特に超精密切削加工においては、一般的な切削プロセスよりも設置空間の制約が大きため、センサレスなモニタリング手法が求められています。

 

プロジェクトのゴール

楕円振動切削装置の内部情報を活用し、超精密加工のリアルタイムモニタリングを実現することです。
具体的には、工具の損耗状態や、工具と工作物の接触状態などを把握することを目指しています。

 

プロジェクトにおける役割・立場

振動装置のアナログ出力信号を高速で処理するためのハードウェアです。
 

研究内容・シミュレーション詳細

本研究では、超精密切削加工で使用される楕円振動切削に着目し、装置の内部情報を活用した新たなモニタリング手法を開発しています。具体的には、超精密加工で一般的に使用されるステンレス材料(STAVAX)に対して、単結晶ダイヤモンド工具を用いた楕円振動切削を行い、工具の摩耗をリアルタイムでモニタリングする実験を実施しました。楕円振動装置の内部信号を取得し、主分力方向および背分力方向の消費エネルギーを計算することで、工具摩耗の進行をモニタリングすることが可能であることを確認しました。また、楕円振動切削装置の内部情報だけでなく、超精密工作機械のサーボ制御信号を用いたモニタリングの研究も進めています。
 

プロジェクトで得られた成果

提案したモニタリング手法を導入したDSPを用いて実証できました。
 



エムアイエス製品導入の背景および効果について

:導入のきっかけ・決め手を教えてください

提案手法の実証のために、高速・リアルタイム計算が可能なDSPが必要となったのがきっかけです。
装置の拡張性およびMatlab/Simulinkとの互換性が選んだ決め手です。

 

:今後のプロジェクトでの使用予定はありますか?

Simulinkを用いてアルゴリズムの構築を簡単にできるため、新しいモニタリングアルゴリズムの開発に使用予定です。
 

:将来的なプロジェクトまたは製品ラインに採用されますか?

工作機械の段取り作業を省力化する研究プロジェクトに採用予定です。工作機械のサーボ制御情報をリアルタイムで処理し、
工具と工作物の間の相対的な幾何情報を同定する研究であり、そのプロジェクトにおいてリアルタイムな信号処理装置として製品を活用する予定です。

 

:当社製品を使用した感想を教えてください

研究室レベルでのプロトタイプ開発に非常に役立つ製品でした。


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